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November 21, 2005

泣かないで、、、枝毛

「それは、お母さんに対していちばんの親不孝と思ってちょうだい」


話題の書「東京タワー」を読み終える。
11月の初旬、知人の結婚式のためにマウイに行った帰りの飛行機の中だった。

今年の夏、大学からの友人に「泣ける。やばいよ。」と薦められ、
ほどなくして買ったもののなかなか読まないまま部屋に放置、
「マウイに行くときにでも読むか」と思っていた。

映画でもそうだが、「泣ける」と最初に言われるとハードルがあがる。
今回もそうで、グッとはきたが泣くまではいかなかった。
が、世間で言われているとおりのいい作品だった。

本を読み終え、成田到着までの1時間弱、
ボーーっとしながら自分と母の関係について考えていた。

他聞にもれず、自分も母親という存在は大きい。

父の転勤の関係で、高校3年から親元を離れて暮らしている。
もう10年ほどになるが、会うのはせいぜい年に1-2度。
ふた月に1度くらい、電話があって話すくらいの関係だ。

が、両親のことは非常に尊敬している。
育てられ方、育った環境など、全てにおいてありがたいと心から思う。
特に母親は、厳しい父とは対照的に、自分にとってのよき理解者である。

自分でいうのもなんだが、そういう自分もなかなかよい息子である。
兄と妹との3人兄弟だが、自分がいちばん手がかからなかったと聞いている。
自分がいちばん聞き分けのよい、”いい子ちゃん”で育ってきた。
盗んだバイクで走り出すことも、夜の校舎窓ガラス壊してまわることもなかった。
小学校くらいから、母の日のプレゼントもほとんど欠かしていない。

”親を泣かせる”なんて事も記憶にはないな。
兄貴が母親を泣かしたのは、2回くらい記憶にあるが。

そんな事を考えているうちに、飛行機は成田に到着。
荷物を受け取り空港をあとにするころ、
携帯の留守電を確認すると、母親から「電話をください」と入っていた。

留守電の感じから、急ぎの用ではないだろうとそのまま帰宅し、
夜になって思い出して電話をかける。
母からの用事は他愛もない内容のものだった。

その後雑談をしてるなかで、母からあることを聞かれた。
それに答えた途端、急に母の声が変わった。
それまでと違い、声に少しの厳しさが含まれた。
そして、ほどなく母が泣き出した。
その時に母から発せられたのが、冒頭の言葉である。

詳しい事情はここでは避けるが、自分のひとことが母にはショックだったのだろう。
ある程度、予想のできたことではあった。
泣きながら、色々と話をされた。

「よく考えてちょうだい。楽しい旅行から帰ってきた時に悪かったわね、ごめんね。」
そう言って母は受話器を置いた。

正直に話さなくても、よかったのかもしれない。
そんな考えも頭をよぎったが、嘘はなるべくつきたくない。
たとえ今回誤魔化したとしても、正月に田舎にかえればまた同じ話題になる。

母の気持ちはわかる。
自分にも、考えるところがある。
そこには大きな隔たりがある。


1週間ほどして、母に連絡をとらねばならない用事ができた。
「やりにくいな」と思いながらも実家に電話をかけると、
いつものようにちょっとよそ行きの声の母親が出た。

「こないだ、ごめん。」
言うか言うまいか、電話をかける前から迷っていた言葉は、
母親の声を聞いた瞬間に出てこなくなった。
こないだの電話がなかったかのような母親の話し方に、
口に出すタイミングを逸してしまった。
普通に用事を伝え、普通に会話をして電話を切った。
あまりにいつもどおりだったので、正直拍子抜けという感じだった。

しかし、こないだ母が電話口で泣いてたのは、紛れもない事実である。
その後、何も状況は変わっていない。
相変わらず「いちばんの親不孝」の真っ最中なのである。

さて、これからどうするか。
次に親に会うのは来年正月。

「こないだ電話で話したの、あれ全部ウソやから。」
そんな一言で、すべて解決できたら楽なのに。

親不孝したいと思う人間なんていないはず。
正直に言わないほうが親孝行だったのか。。。

ムズカシイ。
ムズカシイ。
ムズカシイ。

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Comments

今日はずっと会社に居たからupされているだろうと思い覗いちゃいました。。。

何の話をしたかはわからないけど、胸が痛いね。。
私は今までいっぱい親不孝をしてきたから、今はこうやって仕事して「ちゃんとやってるよ」って見せようと思ってる。
でも、一緒に住んでいても顔を合わせる時間もすくない母と、学生時代の諸事情から生じた角質が取れないままでいる父と、、こんな生活が親孝行とはとてもいえないかもしれないけど、仕事してることでなんとなく自己満足してるのかもしれない・・。

”嘘も方便”なんていうけど、私としてはそれは納得できないから、自分に正直に人にも正直に生きればいいとおもうよ。

後悔しないように、一瞬一瞬を精一杯生きるだけでしょ。

Posted by: カルマちゃん | November 21, 2005 at 09:02 PM

>カルマちゃん

げ、読まれてる。
確かに会社で夕方UPしちゃったよ。

嘘も方便・・・。
どっちがいいんだろうね。
男女の間ではそれも有りかとここ数年思うようになった。

揚げ足取っちゃうけど、
”角質が取れないままでいる父”って笑える。
お父さんもお肌の悩みを抱えてるんだな。
切ない・・・。

Posted by: たつろ | November 21, 2005 at 09:25 PM

ちっ!真面目に返したのにさ~。
揚げ足取られたよ・・・「確執」ね「確執」・・・。
ぷんぷん。

ここ数年男女間でなにかあったご様子ですな~♪

私はここ数年、
男女間の嘘も方便は嫌だって痛切に感じてるよ。。

Posted by: カルマちゃん | November 21, 2005 at 09:29 PM

>カルマちゃん

まじめに返してくれたのはちゃんと受け取ってるよ。
いつもおちゃらけてるからつい・・・。

親孝行って自己満足的な側面も多いよね。
”孝行してるぞ!”っていう。
いくら普段色々やってても俺は的射てないワケだしね。

>ここ数年男女間でなにかあったご様子ですな~♪

自分もそうだし、まわりも見ててだね。
まあ嘘はないに越したことはないけどね。

Posted by: たつろ | November 21, 2005 at 09:45 PM

悩める子羊さんだね。。。
私達も若くない年齢だからね。。。これから先はもっともっと
家族のことを真剣に考えなくてはいけないのだろうな。。。
でも、的を得ていない親孝行なんて絶対にないよ!!
西岡氏のことを誰よりも理解しているのは、お母さんなのでは?
言葉に出せないから、うまく伝わりにくいんだよね〜〜〜
でも、「思いが本物だったら必ず相手に届く」ってこの前
コピーライターの人が言ってたっけ。。。
西岡氏の熱い思いを、お正月お母さんに話してみてはいかがで
しょうか!!

Posted by: 太木数子 | November 22, 2005 at 01:37 AM

> 太木数子 (って誰だよ”)

的を射ない親孝行ってあるよ、きっと。
孝行しようという気持ちと、
それがホントに孝行かは別でしょ。
気持ちを汲み取って許してくれるのが親なんだろうけど。

Posted by: たつろ | November 22, 2005 at 04:27 PM

こっちの東京タワー?

りりーさんのほうじゃなくって???

Posted by: あっちょんぶりけ | December 04, 2005 at 10:07 AM

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会社のレストランで食べた、天麩羅茶漬けです。味がイマイチで、文句つけといたよ。 普通の天麩羅はマジうまいのに。残念。 その前の日は、親や兄弟と隣の部屋でイタリアンのコースを食べた。 家族孝行だ!... [Read More]

Tracked on November 27, 2005 at 10:52 PM

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